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今こそ見直そう 
近頃、豆や雑穀が再び脚光を浴びています。それは、栄養的に優れているだけでなく、素朴な味わいが現代人の私たちに新鮮だからではないでしょうか。美食に疲れた体を、日本の伝統的な食材でリフレッシュさせませんか。


■人と豆の長い歴史■
日本人と豆のかかわりは、縄文時代までさかのぼる。当時の豆といえば、緑豆。この豆は小豆の親だが、縄文人は土器で蒸して食べていたと考えられている。 その後、日本人の食生活になくてはならない存在となる大豆、小豆が中国から伝えられる。当時、このかたい豆をどうやって食べていたのかと考えると不思議なものだ。すり鉢や臼で豆を粉にして、それをペースト状に練って焼いたり、スープにして食べていたのであろうか。
やがて、遣隋使、遣唐使によって中国からえんどう、空豆がもたらされた。 渡来した豆はさまざまな食べ方が工夫された。大豆で豆腐を作ったり、味噌、醤油などに加工することも徐々に始まっていったようだ。小豆は小豆粥として食べていたと思われる。しかしこれらの料理は、当時は貴族であっても相当に豊かな者でなければ、頻繁には食べられないグルメ食だった。
この時代から現在まで、大豆と小豆は豆の中でも別格の扱いを受けてきた。例えば、節分の豆まきには大豆、厄除けや魔除けには小豆を用いる。大豆というのは、一番大事な豆という意味の言葉であったし、小豆はその赤い色ゆえに呪術的で特別な豆と見なされていたようだ。
えんどう、空豆以降の日本への豆の渡来の歴史はといえば、江戸時代には隠元禅師がいんげん豆を日本に伝えたとされている。この豆はもともとアメリカ大陸が原産で、コロンブスが新大陸を発見してから、世界各地に広められた。
明治維新後になると、いんげん豆が日本でも本格的に日本に取り入れられるようになり、ほかにも紅花いんげん(花豆)、落花生といった豆も日本に普及してきた。
現在はレンズ豆、ヒヨコ豆など世界各地からさまざまな豆が輸入され、多彩な豆料理を楽しめるようになっている。
 
 
資料:「四訂食品成分表」「第六次改定・日本人の栄養所要量」
■糖尿・高血圧・動脈硬化に効果■
豆という食材に共通していえるのは、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウムが豊富だということ。これら三つの栄養素、特にカルシウムは日本人の食生活に不足しがちなものである。
私たちがよく食べる白米、小麦にパン、そしていわゆるコンビニ食といった食べ物ではどうしても栄養のバランスがとりにくい。こういう時代こそ、「豆ご飯」を食事に取り入れるべきなのだ。
豆に豊富に含まれているビタミンB1、ビタミンB2は炭水化物やたんぱく質を燃やしてエネルギーにするはたらきがある。ご飯を食べただけではエネルギーにならず、食べたものを効果的に燃やせなければ、食事の意味が半減するといって過言でわない。
日本人は四季折々に小豆粥、豆ご飯、赤飯を食べている。これはその季節に合った豆を食べて体の中のエネルギーを効率的に燃やすためだったと思われる。 
さて、これだけ栄養豊富な豆も食材の組み合わせ次第で、さらに効率よく栄養を摂取できる方法があるのをご存知だろうか。
例えば、豆ご飯のおにぎりにねぎ味噌を入れたり、さっとお湯にくぐらせたみじんぎりの玉ねぎを具にして、大豆を混ぜて炊いたご飯でおにぎりをつっくて見る。この組み合わせだと、栄養吸収率が五〜六倍上がるのだ。 
数年前から話題となっているポリフェノールは、実は豆にも含まれている。活性酸素を除去し、動脈硬化予防の効果があるとして一躍注目されたものだが、赤いいんげん豆、黒豆にもポリフェノールが含まれていることはもっと知られてもいいのではないだろうか。
豆はまた、食欲不振、糖尿、高血圧、動脈硬化、筋肉疲労などさまざまな症状に効果がある、体に嬉しい食材なのである。
 
資料:「四訂食品成分表」「第六次改定・日本人の栄養所要量」

ひと口に豆の分類といっても、いろいろな方法、考え方があります。純学問的な考えに基づく植物学的な分け方、さらには自分の好みで分けることだってできるのです。そう、人間だって、見栄えのよい男にすぐ惚れてしまう女性もいれば、学歴だけで人を区別する輩もいます。また、相手をどう利用できるかだけでつきあい分けるずるい人もあなたの側にいますよね。でも、人にやさしい分け方は、豆も人も、相手を十二分に生かす分け方でなくちゃ・・・・・・。

1 植物学的な分け方・・・生真面目な方にお勧め、でも、基本です
豆がバラの仲間であることをしっていましたか。そうです。マメ科、FabaceaeまたはPapilionaceaeは、被子植物門、双子葉植物網、離弁花亜網、バラ目の中の一科でその下に三亜科を置きますが、近年、これららを格々昇格させて、独立の三科にする見解もあります。ただし、ここでは三亜科として取り扱いました。
 さて、主として種子(子実)を食用とする豆類は、植物学的にはソラマメ族といんげんマメ族に属し、エンドウ(Pisum Satvum)属、ダイズ(Glycine Max)族などはインゲンマメ族に含まれています。なお、三亜科とは、@ジャッケツイバラ亜科(Caesalpinioideae)、Aネムノキ亜科(Mimosoideae)とBソラマメ亜科(Pisoideae)であり、前述の食用に供される豆類、つまりソラマメ族(エンドウ属、ソラマメ属など)やインゲンマメ族、ササゲ属、ダイズ属など)はソラマメ亜科に属します。

2 不足しがちなカルシウム、鉄分ビタミンB1、B2を含む
一般に大豆が豆の代名詞のように思われ、どの豆の成分も大豆と同じに見られがちです。しかし乾燥豆(完熟豆)を栄養分特性より分類しますと、大きく二つに分かれます。 ひとつは小豆、えんどう、いんげん豆、空豆、ササゲ、緑豆(輸入物)など、糖質(でんぷん)を五十%以上含むでんぷん豆グループで、その特性から餡(あん)を作るのに使われます。
もうひとつは大豆、落花生、ルーピン(輸入物)のように高たんぱく、高脂質の豆グループです。世界的には大豆も落花生も油を絞る原料として使われており、日本人のような食べ方は少数です。
例えば、小豆の糖質は57%前後で、たんぱく質は19%程度ですが、脂質は1%に満たないのに対して、大豆の糖質は31%と低く、たんぱく質は38%と倍以上多く、脂質も18%と高いのです。落花生の糖質はもっと低く23%程度ですが、たんぱく質は26%で、脂質はなんと43%台の高含有率です。
これら完熟豆を大人の豆とするならば、野菜として利用されている枝豆やグリーンピース、さやえんどう、さやいんげんのような未熟豆(さや豆類:レグメス野菜)は青少年で、もやしは豆の赤ん坊と言えます。

豆類(完熟豆)共通の成分としては、嬉しいことに、国民栄養調査において不足しがちと指摘されるカルシウムや鉄分を含みますし、一般野菜にはあまり含まれていないビタミンB1、B2をも含みます。それに加えて、もやしは完熟豆には含まれていないビタミンCが、さらにレグメス野菜にはビタミンAがあ含まれます。そう、レグメス野菜は総合栄養剤のような機能を持ちます。なお、成人の(?)完熟豆、特にいんげん豆や小豆には、頑固親父の筋っぽさよろしく(?)食物繊維が多く含まれていますが、未成年の豆にはあまり含まれていません。このように、、豆全体は大きく三郡(表2)に分けられ、それぞれの豆が、人々の健康に大いに貢献しているのです。
 
■ 豆の旬を知っておいしく食べる■

一年中、袋に入って店頭に並んでいる豆には旬を感じにくいものだが、豆にもそれぞれに旬がある。豆の収穫は九月頃から年末にかけてであるが、採れたばかりの豆の中には、まだ皮がかたく食べごろまでに間があるものもある。必ずしも採れたてがおいしいというわけではないのだ。
えんどうの旬は四月から五月にかけて。生食用の空豆は四月から六月、冷涼地だと七月も旬になる。また、枝豆がおいしいのは七月から八月。ちなみに枝豆にはアルコールの酸化を防ぐはたらきがあるたんぱく質やビタミンA、ビタミンC、カルシウムといった栄養素が含まれているので、肝臓の負担を和らげてくれる効果が。ビールのおいしい時期に旬を迎えるので、まさにビールのお供にぴったりというわけだ。 
小豆の旬は収穫後間もなくよりも、年が明けて正月の頃から。豆類の中でもとりわけがかたい小豆もいよいよ食べ頃になり、ムラなくおいしく炊けるだろう。そして黄大豆、青大豆、黒大豆と彩りもさまざまな大豆の旬は、二月頃。黒大豆は正月のお節料理に欠かせない黒豆でおなじみの豆。黄大豆は豆腐、納豆、味噌、醤油などによる日本の食事に欠かせない食材である。
豆の旬を知り、いざ豆料理を作ろうと思い立っても、気になるのが調理時間の長さではないだろうか。一晩豆を水に浸して、翌日、時間をかけて煮るのはやはり手間のかかる作業だ。そこで、煮豆の缶詰やレトルトパックのものを利用すると、調理時間を短縮できる。甘く煮てあるものと水煮のものがあるので、料理によって使い分けるとよいだろう。
また、大豆に水分を含ませて平たくつぶし、乾燥させた「打ち豆」が商品化されている。これは江戸時代から既に行われていた保存方法で、豆を浸さなくてもすぐ煮ることができるので便利だ。
こうした商品がたくさん出て豆を食べる機会が増えることが、豊な食生活と健康にもつながる。

参考資料:正しい食卓2000/9・10月号より 
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●大豆の仲間●


<黄大豆>

普通、大豆と呼ばれるもので、大半はアメリカから輸入される。そのうち8割は油に、あとの2割が豆腐やみそ、しょうゆなどの食品に用いられる。今、大豆の国内自給率は3%。国内産のほぼ全量が食品に向けられる。中でも北海道の鶴の子大豆が味の良さで知られる。五目豆やぶどう豆などに使われるが、洋・中華の煮込みににも利用して、国産大豆のうまみと栄養を丸ごと味わいたい。枝豆は未成熟な大豆を若摘みしたもの。

<青大豆>
色合いからうぐいすきな粉、煮豆、青大豆の豆腐に使われることも。味は黄大豆とあまり変わらない。新潟の「一人娘」「袖振」などが知られる。これとはべつに、ゆでるともっと色鮮やかなひたし豆がある。さっとゆでて、だししょうゆに浸して食べるもので、東北地方の郷土料理として知られる。ひたし豆は色がきれいで、歯ごたえがあることからお酒のつまみに人気がある。ピクルスやサラダの彩りに使われることも。

<黒豆>
おせち料理でおなじみ。地方によっては不祝儀のおこわにも使われる。黒豆の黒色はアントシアンという色素によるもので、鉄と反応すると、つやのある黒色を出す。煮るときに鉄釘を入れるのは、ビタミンB1が多く、疲労やスタミナ不足に有効。煮汁は喘息や去円に薬効がある。
豆は大きな粒のそろった、光沢の鈍い自然な黒色のものが良質。丹波の黒豆が最高級品といして知られる。

 

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●あずきの仲間●

 


あずきは日本、中国、朝鮮半島で、古くから栽培されていました。日本では縄文時代の遺跡からあずきの炭化種子が発見されています。古代にはあずきの赤い色には魔除けなどの神秘な力があると信じられ、行司や儀式に用いられてきました。今でも赤飯のほか、地方によって毎月あずきがゆを炊く習慣があるところもある。栄養的にすぐれていることから、古人の知恵で習慣づけられたのでしょう。
ささげはアフリカ原産で、中国を経由して渡来し、平安時代にはすでに食されていました。今はもっぱらあずきのかわりに赤飯に用いられることが多く、国内生産量は減少気味。

<あずき>
普通に出回っている小粒のものを小豆、大粒のものを大納言という。大半は甘いあんとして利用される。大納言は色も味も良いため、値は高め。豆のなかではビタミンB1を豊富に含み、疲労回復、筋肉痛に薬効がある。ビタミンB1を豊富に含み、疲労回復、筋肉痛に薬効がる。ビタミンB1はでんぷんの消化分解に欠かせないので、しるこにしてもちと一緒に食べたり、まんじゅうのあんにして食べるのは、理にかなっている。上品な味わいは煮ものなど料理にも生かしたい。

<ささげ>

豆の一端がやや角ばっているこから、大角豆とも呼ばれる。煮豆やあんの材料にもなるが、多くは赤飯に用いられる。あずきは煮たときに皮がやぶれやすいため、「腹切れする豆は切腹に通じる」として武士の間で嫌われた為である。
ささげは分類上はあずきと異なり、花の色、形状もことなる。あずきの主産地は北海道だが、ささげは熱帯産なので、寒さに弱く、関東以南の暖地で栽培される。

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●いんげんの仲間●

 


<金時豆>
いんげん類の中でもっとも多く出回っている単色の代表格。
なかでもよく知られているのが「大正金時」という品種。
昭和初期に北海道の大正村(現帯広市内)で量産されたことから名づけられた。赤紫色の鮮やかな色と、粒の型のよさ、
ほくほくした味わいが特徴。色が黒づんでいるものは古豆か、管理の悪い豆。洋名をキドニービーンズといい、アメリカや中南米では、ポークビーンズやチリコンカンなどに用いられる。

<白いんげん>
白いんげん豆には「手亡」「大福豆」などがある。「手亡」は白色の美しい豆で、大部分が白あんに使われる。「大福豆」は種皮だけでなく、ヘソの部分までが真っ白な腎臓型の美しい豆で、斗六豆とも呼ばれる。黄ばんだものは、管理の悪い古豆。生産地は北海道十勝地方。
日本では高級品種として甘納豆や和菓子に用いられるが、世界的に見るといんげん豆の中ではもっともポピュラーで、多くの料理に用いられる。

<紫花豆>
いんげんの豆類の中でも、「べにまめいんげん」と呼ばれる品種で、紫花豆と白花豆がある。粒が大きく、煮るとさらに大きくふっくらふくらむのが特徴。高級品種として煮豆、甘納豆に用いられる。
花豆は鮮赤色または白色の大きな美しい花を咲かせ、赤色の子実は紫花豆、白花の子実は白花豆をつける。江戸末期に伝来した当時は、花がきれいなことから、もっぱら観賞用に栽培されたという。

<白花豆>
純白で、ふっくら大粒で、どんな料理に使っても見栄えがする。高級品の煮豆や、おせち料理のきんとんに用いられるのが、洋・中華風にも使いたい豆である。ただ皮がややかたいので、紫花豆同様、十分水に浸してから、時間をかけて煮るのがコツ。食用としての栽培は、明治時代の札幌農学校(現北海道大学)から。現在は北海道、東北地方。長野県など、冷涼な地域で栽培されている。中国からの輸入物は「花芸豆」と呼ばれる。

<虎豆>
白地が半分、残り半分に褐色の濃淡のまだら模様が入っているところから、虎の斑紋によく似ているので、虎豆と呼ばれる。豆はやわらかく、煮えやすいのが特徴。食味は粘りがあって、もっちりとしたおいしさがある。煮豆に最適とされ、生産地の北海道では、煮豆の王者と呼ばれている。
味がよいうえ、栽培に手がかかるので、値は高い。できれば豆そのもののおいしさが生きる、シンプルな料理で味わいたい。

<うずら豆>

種皮の模様がうずらの卵の似ていることから、名づけられた。昔から煮豆や甘納豆に使われたきた。最近はやや金時豆に押されがちである。煮ると、金時豆に比べ色はややくすんでくる。味ははよいのだから、ポタージュやポークビーンズなど、料理にもっと用いたい。北海道の開拓が始まった明治時代に、アメリカから種子を輸入して栽培が始まった。生産地は北海道の十勝・上川・石狩地方。「福粒中長」という品種がメイン。

 

 

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